違国日記3巻【#なんだか切ないような #BLじゃない】

違国日記3巻

違国日記 3 (フィールコミックスFCswing)

【あらすじ】 35歳、少女小説家。（亡き母の妹） 15歳、女子中学生。

女王と子犬は2人暮らし。

少女小説家の高代槙生（こうだいまきお）(35)は姉夫婦の葬式で 遺児の・朝（あさ）(15)が親戚間をたらい回しにされているのを見過ごせず、 勢いで引き取ることにした。

しかし姪を連れ帰ったものの翌日には我に返り、 持ち前の人見知りが発動。 槙生は、誰かと暮らすのには不向きな自分の性格を忘れていた……。

対する朝は、人見知りもなく、“大人らしくない大人”・槙生との 暮らしをもの珍しくも素直に受け止めていく。

【感想】

巻数が進むにつれてまきおちゃんが親じゃないということを認識し始める朝。

入学式に叔母さんが来ていないことを訝しがる親友のお母さんが（これが常識でしょ）という お節介と言う名の親切を押し付けてくる場面。

本人としては親切なんだろうけど、常識を押しつけられていると考えるのは個人の捉え方の問題ですね。

また別の場面では朝がまきおちゃんにウルサイ！と言われたので同じく言い返しますが、何に腹を立てているのか全く理解できないまきおちゃん。 朝のことを我が子のように愛するわけではないので、親しい隣人のように感じている様子。

ただ朝はまきおちゃんに親を求めている。 身内のように意見を言い合い遠慮なく親しくなろうとしている。そして自分を無条件に理解し構ってくれるものだと思っている。そここそが2人の違いなのでしょう。

親ではないのだ。ということをこの巻で深く感じている朝を描くことがいかに難しいか・・。 その難しさをサラリとやっているヤマシタトモコさんに本当に驚嘆します。 BLマンガからヤマシタトモコさんのファンになったけど、どの話でも表現力の素晴らしさに感嘆しています。

どこにも、「まきおちゃんは親ではないのだ」という文言がなく表れているのが素晴らしい。 そういうことをするのが漫画家さんなのかもしれないけど、天才だな・・と思います。うーん陳腐な言い方。

このマンガがすごい2019にもランクインしていたので改めて３巻ですが感想を書いてみました！ このストーリーは朝が独り立ちするところで決着するのだろうか。 続きが気になります。